パブ・ロック・ガイド
パブ・ロック・ガイド

当サイトは1970年代ロンドンでパンク発生のきっかけとなった
パブ・ロックを紹介しています。

ホーム > パブ・ロック・基本編 > パブ・ロック史3部作 後編

パブ・ロック史3部作 後編

1970年代後半のパンク発生期

そのスピード感あふれるシャープでキレのあるサウンドと
鋭くいかれたステージングで、
ドクター・フィールグッドの人気はメキメキと上昇。


次第にパブではおさまりきらなくなり、
ホール・クラスのライヴへステップ・アップ。


その跡継ぎバンドとして、同じサウスエンド出身のバンド、
エディー&ザ・ホットロッズがよりストレートなビート・サウンドで、
パブをうならせつつあった。



ちなみにそのホットロッズにはルー・ルイスという天才ハーピストがいたが、
あまりの暴れっぷりのためクビに・・・


さらに、そのエディー&ザ・ホットロッズのフロント・アクトとして、
ホットロッズのストレートさ、そしてカウント・ビショップスの荒さ、
ニューヨーク・ドールズ、MC5、ストゥージスなどの
USバンドに影響受けたサウンドを持つバンド、
セックス・ピストルズが登場。


ホットロッズの機材を破壊して一発でクビになる。


なにかがパブ周辺から爆発しそうになっていた。


おそらくビート系のパブ・ロックのサウンドをあびて、
俺らにも出来そう!と立ち上がったバンド
後にパンク・ロックと呼ばれるバンドが、
パブ・ロック・バンドが開拓してきたシーンに
じわじわと登場してきていたのだ。


その起爆剤となったのは、やはりドクター・フィールグッドでしょう。
それまでのカントリー・ベースのホンワカなサウンドの
パブ・ロック・バンドと比べると、
パブを中心としたライヴ活動という意味では共通ですが、
明らかにそのサウンドはベツモノっす。


シンプルでいて攻撃的なサウンドとそのステージングは、
そのまま初期パンクにつながります。


ビートルズのメンバーがロニー・ドネガンのロック・アイランド・ラインを聴いて
ギターを持ち、バンドを組むキッカケとなったように、
初期パンク・バンドのメンバーはドクター・フィールグッド、ウィルコ・ジョンソンを見て、
ギターを持ち、バンドを組んだのではないかと思います。



で、これらのビート系パブ・ロック・バンドと初期パンク・バンドの違いは何かっていうと、
パブ・ロック・バンドがまず音楽ありきというのに対して、
パンク・バンドは、まずフラストレーションありきという違いかなぁ・・・と。



で、そんな盛り上がりつつある状況をデイヴ・ロビンソンが
見逃すハズはありません。


ジェイク・リヴィエラと起こしたスティッフ・レーベルでは、
ダムドというバンドをニック・ロウをプロデューサーにして、
いち早くシングルを発売。


いわゆるパンクロック第1弾レコードと呼ばれることとなり、
そこそこのセールスを記録したようだ。



さらにスティッフは、
パブ・ロック周辺で活動していたアーティストを集めて英国中をまわるツアーを開始。

過去のパブ・ロック・バンドより洗練されて、
ちょっとパンキッシュで個性的なアーティストが集結。


ちなみにそのメンツは、
ニック・ロウ、
レックレス・エリック、
ラリー・ウォレス、
エルヴィス・コステロ、
イアン・デューリー。


かなりの反響を得たようで、
なかでもイアン・デューリーとエルヴィス・コステロは、
激しいメイン・アクト争奪バトルを展開し、
人気も急上昇していったそうな。



しかし恐るべしバンド、セックス・ピストルズの派手な行動に、
英国、いや世界中の音楽界は次第にパンク・ロックが話題が集中。




そんなパンク的な勢いをうまく取り入れた
イアン・デューリーやエルヴィス・コステロ、
そしてグラハム・パーカーらは、そこそこの話題を集めたが、
よい音楽と熱いライヴだけがトリエのパブ・ロック・バンドは、
あいかわらずパブでのライヴ。


圧倒的な勢いで駆け抜けていったパンク・ロック。
なかでのセックス・ピストルズはアッという間に解散。



一気にパンク・ロックのムーヴメントは去って言ったが、
その中でも、インメイツやナイン・ビロウ・ゼロといったバンドが地味に出現、
60年代にジョニー・キッド&パイレーツとして活動していたバンドが、
ドクター・フィールグッド人気の後押しによりパイレーツとして復活するなど
パブでのライヴは続いていた。



さらにはデイヴ・エドマンズ、ニック・ロウという
パブ・ロック界のスター二人が組んだバンド、ロックパイルが登場、
ドクター・フィールグッドももちろん、
ソロとなったウィルコ・ジョンソンもパブでの活動を続けていた。


ムーヴメントが終わったといってもパブ・ロック・バンドが終わったわけではない。
それは『LONDON R&B SESSIONS 』といったアルバムで確認できるように、
70年代が終わっても、パブは依然熱かったのだ。



Copyright © BEAT-NET. All rights reserved.
本ページはリンク・フリーです。
BEAT-NET