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パブ・ロック史の概要
大きく分類すると・・・
まずは70年代のパブ・ロック全体の流れをざっくりとみてみましょう。
パブ・ロックの歴史を大きく分けると、
おいらのイメージではだいたい
次の3つ位に分類できるんじゃないかなと思います。
@ 1970年代前半のパブ・ロックといわれるバンドが出てきた時代
A 1970年代中ごろの小さなムーヴメント発生期
B 1970年代後半のパンク発生期
@ 1970年代前半のパブ・ロックといわれるバンドが出てきた時代
1970年のブリンズリー・シュウォーツの大失敗劇「フィルモア・ハイプ」の後、
(※「フィルモア・ハイプ」については、コチラ)
その借金返済のために、
ちまちまとドサまわり的にパブでのライヴをやりはじめ、
それがパブ・ロックなんて呼ばれだしたのがそもそもの始まりでしょうか。
そんな1970年代前半は、
ローリング・ストーンズやらレッド・ツェッペリン、
プログレ・バンドやらが、大掛かりなライヴをやっていたり、
グラム・ロックなんて派手なバンドが活動していたのとは対照的。
そんな地道なブリンズリー・シュウォーツの活動に影響を受けた
いくつかの売れないバンドがパブを中心に活動を活発化。
そのブリンズリー・シュウォーツを代表として、
エッグス・オーヴァー・イージーやビーズ・メイク・ハニー・・・
なんてトコがそんなバンドたち。
サウンド的には、アメリカのザ・バンドや
CSN(クロスビー・スティル&ナッシュ)などから影響を受けたような
ユルめなカントリー風ロックなどが多いです。
A 1970年代中ごろの小さなムーヴメント発生期
パブでの地道なライヴが評判となって、
一気に注目を集めるバンドが出てきた。
ドクター・フィールグッドの登場である。
全英のパブをめぐるツアーにより
パブ・ロック・バンドが一般的にも徐々に知られるようになってくる。
なんとドクター・フィールグッドの1976年に発売された
ライヴ・アルバム『 STUPIDITY 』は全英ナンバー・ワンというから恐るべし!
ドクター・フィールグッドはもちろん、
イアン・デューリー率いるキルバーン&ザ・ハイローズなんてバンドも
その頃の人気バンドだったそうな。
サウンド的には、R&Bビートやファンキーなものなど様々だが、
ルーツに根ざしながらも強烈で個性的なヒトクセあるサウンドを持つバンドがその中心です。
B 1970年代後半のパンク発生期
ドクター・フィールグッド、エディ&ザ・ホット・ロッズなどの
シンプルなビート・サウンドで俺にも出来ると目覚めた若者が、
次々にグループを結成。
いわゆるパンク・バンドが出現。
セックス・ピストルズなどに代表されるようにその派手な言動で、
一気にマンモス・バンドから主役の座を奪いとり、
世間の注目は、パブやクラブで地道に活動していたバンドに、
次々とスポットがあてられた。
そのムーヴメントにのっかってうまく登場してきたのが、
R&B的な要素は控えめにスピード感重視のビート・サウンドを持つ、
グラハム・パーカーやエルヴィス・コステロといったアーティスト。
さらにはソロとなったイアン・デューリーなども大人気。
しかし、派手なパンクに話題を独占され、
パブ・ロックとしてのムーヴメントは人気が一気に後退。
ロック史としては、パンクが活躍する場の土台を開拓し、
シンプルなビート・サウンドを復活させたという時点で、
パブ・ロックの役目は終わってしまったのである。
しかしそこはパブ・ロック。
活動の場はパブでのライヴ。
ムーヴメントとしては終わっていても、
もちろんライヴは終わることなく、続いていたのである。