パブ・ロック・ガイド
パブ・ロック・ガイド

当サイトは1970年代ロンドンでパンク発生のきっかけとなった
パブ・ロックを紹介しています。

ホーム > ビフォー・パブ・ロック > ジョニー・キッド&パイレーツ

ジョニー・キッド&パイレーツ

眼帯付きの海賊野郎

元祖パブ・ロック・バンドのひとつとして数えられる
ジョニー・キッド&ザ・パイレーツは、
1960年代前半にビートルズよりも先にR&Bをベースにした
ブリティッシュ・ビートをプレイしていたバンド。


ヴォーカルのジョニー・キッドはロンドン出身の眼帯付きの海賊野郎!

フーのカバーで有名な《 Shakin' All Over 》のヒットが有名っすね。

なんといってもパブ・ロック界のスター・バンド、ドクター・フィールグッドが
そのサウンドの基盤をそっくりそのまま受け継いでいることから、
ビート系パブ・ロックの元祖バンド扱いされているのでしょう。

そして、そのドクター・フィールグッドの初代ギターリストであるウィルコ・ジョンソンは
ジョニー・キッドのバック・バンドであったパイレーツのギターリスト、ミック・グリーンに
多大な影響を受けていたことも、知られています。

そんなジョニー・キッド&ザ・パイレーツは、
ジョニー・キッドの交通事故死により活動を停止してしまいましたが、
ドクター・フィールグッドがブレイクした70年代後半に再び注目を浴びて、
ザ・パイレーツとして60年代にもシングルを出したこともある
ミック・グリーン、ジョニー・スペンス、フランク・ファーリーの3人が
トリオ・バンドとしてパブで復活。


その恐るべしパワーの強烈なライヴは、
メイン・アクトを食いまくったそうです。

ウィルコ・ジョンソンのマシンガン・ギターのルーツである、
ミック・グリーンのカッティングは、さらに狂暴な切れ味をかましていました。

パイレーツの大ファンである土田さんに
ミック・グリーンの魅力を聞いています。


技のデパート!リズムギター職人!

(以下、土田さまより)

その魅力は、


数あるミック・グリーンギャグの中でも
最高傑作は「俺たちのライブはカラオケをバックに流してるだけなんだぜ」です。
これは軟弱なロックに対する批判も含まれてて最高です!

ひとつ付け加えて欲しいのは、ミック・グリーン大先生のギターは
斧や牛刀ではなくて「日本刀」だと私は思うんです。
その理由はスケールがデカくて重いというのは同じなんですが、
切れ味に関してはナイフ以上だからです。
それと、たまにしか刀を抜かないが(カッティングに限った話ですが)、
抜いた時には「一撃必殺!」ていうイメージがあるからです。
例えるならルパン3世の五右衛門みたいな(笑)。

五右衛門って車を真っ二つに切っちゃったりするじゃないですか(笑)
ミックのギターはそれ位の破壊力があると思うので。

「動と同じ位に静も大事なんだ」って
後にウィルコとの対談で言ってたからというのもあります(ウィルコも同意してました)。


それを最も表していたのが2000年にウィルコと渋谷に来た時の「Drinking wine」です。
曲の途中でしばらくブレイクしていたので「やっぱ歳かな」と思って油断してたら
いきなり全盛期並のカッティングが炸裂したんですよ!
あの時は人生で一番シビれました。
「身体に電流が走る」というのはこういう事を言うんだなあと。
ライブ盤を聴くとその箇所で歓声が上がるんですが、たぶんその中に私の声も入ってると思います。
ミック側の最前列近くで雄叫びを上げましたから(笑)

私はカッティング以外のプレイも好きなんですよ。
例えば5弦あたりの開放弦を鳴らしながらリフとかソロを弾いちゃったりするじゃないですか。
(「アイ・キャン・テル」など。
こういうプレイは初めて聞いたので当時びっくりしたもんです。
開放弦がベースの役割を果たしちゃってるんですよ!

とにかくミック・グリーンのギターは出す音の全てに「意味」があると私は感じるんですよ。
ハードロックやヘビメタの早弾きとは大違いです。
あれは指に当たった弦の音がたまたま鳴っている様にしか私には聞こえませんから。

そういうプレイをするのは私が知る限りではクラシック・ギタリストだけです。
大先生のプレイを研究する為にクラシックギターのCD(村冶佳織)を何枚か聴いたんですよ。
それはもうハードロックなんかよりもはるかにレベルの高いとんでもないテクニックです。
そうしたらロックのギターに対してテクニックを重要視する奴らがバカだなあって思う気持ちが完全に固まりました。
「そういう難しい事はそっちの世界に任せておけ」と(笑)。

結局何が言いたいかというと、
ミック・グリーンはテクニック系の奴みたいに弾こうと思えば弾けると思うんです。
でもそうしないのは、パブの客が喜ぶのはどんなプレイかっていうのを
長年の経験と本能で知っているからだと思うんですよ。
だから世界一カッコイイと思うんです。

私の目的はパイレーツの被害者(ハードルが上がり過ぎてしまって普通のロックでは満足できない人)を増殖させて、
ミック・グリーン大先生の弟子を増やし、今後のロック界を良くしてもらう事です。

モロにそのまま直結。

ジョニー・キッド&ザ・パイレーツとしてのバック・メンバーは
けっこう入れ替わっているのですが、
ミック、ジョニー、フランクがバック時のサウンドは、
モロにそのままドクター・フィールグッド、ウィルコ・ジョンソンに直結。

バンド名の由来となったカバー《 Doctor Feelgood 》も強烈!

まずは手頃なベストがオススメ。

25 GREATEST HITS


さらに復活パイレーツを味わうならば、
この編集盤が文句無しです。

コテコテです。

OUT OF THEIR SKULLS PLUS



Copyright © BEAT-NET. All rights reserved.
本ページはリンク・フリーです。
BEAT-NET